健康を支える「予防歯科」
予防歯科とは、むし歯や歯周病になってから治療するのではなく、未然に防ぐためにケアを行う考え方です。歯の健康は全身の健康にも関係しています。医療や介護に依存することなく、自身のみで日常生活を行える期間を「健康寿命」といい、日本は平均寿命と健康寿命の差が男性で約9年、女性で約13年あります。つまり、約10年は男女ともに生活において何らかの制限が起きているのです。
予防歯科は、健康寿命を延ばして自分らしい老後を過ごすことに繋がります。
予防歯科の考え方
予防歯科は、むし歯や歯周病の予防のために、歯科医院で歯のクリーニングや歯磨き指導を受けたり、フッ素塗布を継続したりすることです。この考え方は諸外国では一般的なものですが、日本ではまだまだ浸透していません。自身の歯を守り、健康寿命を延ばしたい方は、予防歯科を意識することが大切です。
予防歯科のメリット
早期発見・早期治療を実現できる
定期的に歯科医院に通うことで、むし歯や歯周病を初期段階で発見できます。その結果、通院の負担が軽くなるうえに治療費も抑えられます。さらに、むし歯治療で歯を削る範囲も抑えられるため、より長く歯を残せるようになるのです。
むし歯・歯周病の予防
毎日歯磨きをしていても、磨き残しによって歯垢が蓄積し、むし歯や歯周病のリスクが高まります。定期的に歯科医院で歯のクリーニングを受けることで、むし歯や歯周病のリスクを軽減できます。また、むし歯予防に効果的なフッ素塗布を受けることも可能です。
お口のトラブル全般の予防に繋がる
お口の中の定期的なチェックによって、口臭の原因を突き止めて早期に対処できるなど、さまざまなトラブルを早期発見・早期治療に繋がります。
予防歯科メニュー
歯磨き指導
どれだけ歯科医院で歯のクリーニングを受けても、自宅で一切歯磨きをしない場合はむし歯や歯周病を予防できません。まずは、予防歯科の基本となる日々の歯磨きを継続することが大切です。デンタルフロスや歯間ブラシなども使用し、歯と歯の間の汚れも取り除きましょう。当院では、歯磨きの正しい方法や歯ブラシの選び方などをアドバイスしております。
口腔内チェック
定期的に口腔内のチェックを受けることで、むし歯や歯周病を早期発見できます。
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
PMTCとは、歯科医師や歯科衛生士が専門の機器を用いて、歯垢や歯石、バイオフィルムなどを除去する本格的なクリーニングです。また、歯に付着した着色汚れも除去できるため、白さと透明感を取り戻すことができます。バイオフィルムは約3ヶ月で再生すると言われているため、PMTCも同じ程度の間隔で受けることが大切です。
フッ素塗布
歯の表面に高濃度のフッ素を塗り、歯質を強化する処置です。また、酸で溶け出した歯の成分を元に戻す「再石灰化」を促すこともできます。年3~4回を目安に受けましょう。
自宅でできる
むし歯・歯周病予防
フッ素配合の歯磨き剤
フッ素配合の歯磨き粉には、むし歯の発生や進行を抑制する効果が期待できます。フッ素塗布と併用して、効率的に予防ケアしましょう。
歯間ブラシ・フロス
歯間ブラシやデンタルフロスは、歯と歯の間に溜まった汚れを取り除くための器具です。歯ブラシと併用して、お口の中の汚れを徹底的に除去しましょう。
マウスウォッシュ・ジェル
殺菌力を持つマウスウォッシュや歯質を強化するフッ素ジェルを使用しましょう。むし歯や歯周病のリスクを少しでも軽減することがポイントです。